3月30日、告示日を目前に控えて
秋田市長選が3月30日の告示を間近に控え、現職の穂積志氏(67)と新人の沼谷純氏(51)による白熱した選挙戦の幕開けが迫っている。前回選挙では、穂積氏が61,982票、沼谷氏が53,637票、武内氏が19,369票と、穂積氏が僅差で勝利した三つ巴の戦いが繰り広げられた。
支持基盤の攻防
単純な得票数の計算では、穂積氏と武内氏の票を合わせれば圧倒的優位に見えるが、実際は単純ではない。武内票には反穂積の感情を持つ有権者も少なくなく、票の流れは予断を許さない。
興味深いのは、2年前の秋田県議選で沼谷氏が史上最多得票を得るなど、政治的な底力を示している点だ。
穂積氏は、自民党秋田市支部、社民党県連、公明党県本部など、約130の企業や団体からの支持を背景に、選挙戦の準備を進めている。市議会においても、36人の市議のうち27〜8人が現職を支持する構図となっており、組織票における優位性を保っている。
現職ながら、穂積氏は地道な選挙活動を展開。関係者の間では、自身の後援会看板前で辻立ちを始めたことに「そこまでやるのか」と驚きの声も上がっている。各種イベントに顔を出し、執拗なまでに名刺を配り続ける姿勢は、政治への強い意欲を感じさせる。
沼谷氏は立憲民主党県連の推薦を受け、草の根の支持拡大に力を注ぐ構えだ。頻繁に行う辻立ちは市民から好意的に受け止められ、多くの市民が彼の精力的な活動を認知している。SNSを活用した若者や子育て世帯への情報発信も選挙戦の特徴となっている。
前回候補の動向
前回選挙で3番手に終わった武内氏の動きが注目されている。現職の穂積氏との対談動画を公開するなど、事実上、穂積氏の再選を後押しする動きを見せている。武内氏の支持票の行方が、今回の選挙の鍵を握るとみられている。
各候補の選挙戦略
穂積志氏
- 4期16年の経験と国とのパイプを強調
- 支持団体をこまめに回るスタイル
- 新スタジアム整備、外旭川地区のまちづくり、災害対策を公約
- イベントでの精力的な名刺配布や後援会看板前での辻立ち
沼谷純氏
- 人口30万人回復を目指す
- 外旭川まちづくり計画の白紙からの見直しを主張
- 歌舞伎役者・片岡愛之助を招いたイベントでミルハス中ホールを満員に
- 市内各所での語る会を精力的に実施
注目点
日本維新の会は、「両者から推薦の打診があったが、甲乙付けがたく」として自主投票を決定。また国民民主党やその他の政党など未だ態度が未定な政党も多い。また市長選の説明会に参加した日本共産党も候補擁立は断念。これらの中立的な立場が、接戦を予感させる。
今後の焦点
人口減少、災害対策など、待ったなしの課題に対し、両候補がどのような街の未来像を描くのか。市民の選択が、秋田市の命運を左右する。
告示まで僅かとなった今、市政の行方を左右する一票の重みが、秋田市民に問われている。